曹操「よっしゃあ天下を取るぞ！敵は呂布孫堅劉備袁紹袁術劉表張繍か」

荀イク「こんにちはー、荀イクと申します。こちらに曹操様がいると聞いて仕官したく参りました」

曹操「！」

曹操「～」荀彧「～」
曹操「この荀彧ってやつめっちゃ頭いいじゃん張良かよ！」

曹操「しかもイケメン！」

荀イク「不束者ですがよろしくお願いします」
荀イクは29歳の時に、東都で奮武将軍を名乗っていた曹操の元に出仕した。曹操が兗州の牧となる前年のことである。

曹操は兗州の牧に迎えられ、賊の青州兵を平定し、初めて自分の拠点を得るに至った。

その直後陶謙の軍が曹操の父親を殺し、曹操は激怒する。

曹操「親父の仇の陶謙ぶっ殺して徐州潰す！許さねえぞあいつら」

荀イク「だめです！自身の州の地盤を固めずに出征したら必ず隙を突かれます！」
曹操「うるせえ！俺は徐州を手に入れるんだ出陣！」

案の定曹操の留守を狙い呂布軍が来襲、曹操は慌てて軍を引き返す。曹操は兗州の大半を呂布に取られたが、荀彧程昱らの守る三城だけは確保することができた

荀イク「先に自分の拠点をしっかり押さえてください。貴方が怒って勝手に出陣した際呂布が攻めてきて守るの大変だったんですから！」
曹操「🥺」
荀彧「先に呂布を倒してください、さあ」
曹操「しょうがねえ...呂布軍1万相手に手持ち千騎しか兵いねえけど頑張るか！」

曹操は寡兵にも関わらず巧みな用兵と伏兵で呂布軍を叩き潰し、兗州から追い出すことに成功。
「呂布と戦って勝ってこい」と指示されて、その通り勝ってくる将軍はどれくらいいるだろうか

曹操「荀イクちゃんに都の政治任せっきりだからいつも忙しそう...代わりに軍事の相談乗ってくれる人っていないかな？」

荀イク「はいはい、今代わりの人材用意しますから。つ戯志才　つ郭嘉　つ荀攸　つ鍾ヨウ　つ陳羣」

ここから曹操は中原戦乱の激戦ド真ん中で、勢力を拡大しようと周りの敵と次々と戦いまくる。

VS袁術　曹操と3回戦い3回ボコられ、配下の将を全て斬られ袁紹の元へ逃げる途中で病死する。ちなみに彼は呂布にもボコられる。

VS張繍・賈詡
張繍のいるエンへ攻めた曹操だが、国内に変事が起こり急遽帰還する。撤退途中、追撃してきた劉表張繍連合軍が退路を断ち曹操軍を挟み撃ちにするが、曹操は夜のうちに地下道を作り兵と輜重隊を隠して伏兵を設置。翌朝、張繍は曹操軍が逃げたと思いわ慌てて後を追おうとした所、伏兵にかかり打ち破られる。
敵対関係の後、賈詡の進言により張繍は官渡の戦いに際して曹操に降る。

そしてVS呂布

曹操に兗州から叩き出された呂布は劉備から徐州を奪い拠点とする。夏侯惇や劉備を破り自勢力の安定を図るが、曹操自身が兵を率いて攻めてくると三戦三敗して下邳城に引き籠る。善戦して籠城するも川を使った水攻めにより陥落。首を刎ねられる。

中原を制した曹操はいよいよ華北の強大な袁紹と対峙する

曹操「呂布は倒せたけど袁紹の勢力大きすぎ！2-3万で10万相手に勝つとか無理ゲーすぎるわ終わったヤバイヤバイヤバイ...」

荀イク「落ち着いてください、曹操様なら絶対勝てますから」

曹操「まじ？」

荀イク「袁紹軍は兵数は多いですが軍法は整っていません。顔良と文醜は暴に依る大将であり、策略を使えば一度の戦いで生け捕りにできます。田豊は上に逆らうので用いられません。許攸は貪欲で身持ちが治らない。残りの軍師は計画性がなく、独断的で統率がとれていません。必ず変事が起きて策を用いる機会が訪れます。」

曹操「ふむ...」

曹操「でも涼州軍閥が十万もいるじゃん！あいつらが袁紹と組んで攻めてきたらおしまいだよ」

荀イク「関中の頭目は十以上いますが1つになる事は不可能です。韓遂と馬騰の一族が最も強いのですが、彼らは山東で戦争が始まったのを見れば、各自軍勢を抱えたまま自分の勢力を保とうとするに違いありません。今、もし恩徳によって彼らを慰撫し、使者を使わして同盟を結べば長期間にわたって安定した状態を保つ事はできなくとも、公が山東を平定なさる期間ぐらいは十分釘付けにしておけます。 鍾繇に西方の事をお任せになれば、公のご心配はなくなります」

曹操「ほうほう...」

曹操「でも南に孫策いるじゃん！あいつはマジで強いし俺が袁紹と戦ってる間に都に攻めてきたらおしまいだ！孫策に割く兵力がねえよ...」

郭嘉「孫策は暗殺されるから心配いらないっすよ？」

曹操「...わかった。皆を信じてやってみる」

曹操「荀イク一緒に来てくれないの...？不安だよぉ」

荀イク「私がついて行ったら誰が都の行政を仕切るんですか。郭嘉と荀攸がついてますから大丈夫です。さあ出陣してください」

官渡の戦いは荀イクの予想通りの経緯を示した。先鋒の顔良と文醜は荀攸の策によって殺され、田豊は投獄された。また袁紹の幕僚達の仲は険悪であった。しかし大軍の袁紹軍は依然として有利で、圧倒的物量差の攻勢を前に曹操軍はギリギリまで追い詰められ、官渡城は崩壊寸前であった。

曹操の手紙「帰りたい、頑張って戦ってるけどまじできつい。兵糧は僅かだし敵兵は莫大だし内通者もたくさんでてる。限界がきてるからここは一旦退却して...」

荀イクの手紙「何弱気になってるんですか！大変な大戦ですがここが踏ん張り時です。兵糧が少なくても諦めなければ必ず機会が訪れます。曹操様ならそれを必ず生かすことはことができます！大丈夫、必ず勝利を掴めます。荀イクより」

曹操「......よし！」

荀イクの読み通り袁紹軍の許攸が機密を持って投降してきた。袁紹軍の兵糧の在り処を知った曹操は夜に鳥巣に奇襲をかけて勝利することができた。

兵糧を失った袁紹軍10万は失墜し、曹操軍の反撃に散り、官渡の大逆転はここに成った。
曹操「よっしゃあああ袁紹に勝てたぞ！！」

荀イク「さすが曹操様です、おめでとうございます」

曹操「いやほんと全部荀イクのおかげだよまじで！手柄の第一功は君に決めた。受け取ってくれ」

荀イク「いえいえ！私は実戦に従軍していないですし受け取るわけには」

曹操「君の戦略がなかったら我々は絶対に勝てなかった。それは皆が分かってることだ、受け取って欲しい」

荀イク「分かりました...」
曹操「あと君の長男だけどよかったらうちの娘を是非嫁に貰ってくれないかな」
荀イク「いいんですか？」

荀イクの長子荀惲には曹操の正室の娘が嫁いだ。領地は2000戸となり破格の待遇を受けた。しかし彼は財産を蓄えることなく人に配ったという。

なお後に荀惲の息子には司馬懿の娘が嫁ぐことになる。
荀彧と曹操と司馬懿の血がここで繋がるのである。
曹操「ついでに荀イクを三公に」
荀イク「もう充分ですから！」

荀イク「杜襲、辛毗、趙儼、司馬懿、郗慮、華歆、王朗、杜畿っと。これだけ人材を集めれば華北の天下は安泰だろう」

曹操「今や俺の勢力は最強だ！このまま一気に南を攻めて天下を獲ってやるぜ！！」

賈詡「江南の勢力は地盤が強く、簡単には落とせません。また長江水域では我々の得意とする騎馬軍は使えず、水軍の強い向こうに有利です。呉は落ちないでしょうからここは戦わずにしっかり荊州を押さえるべきです。」

曹操「うるせえ！今勢いにのってるのにこのまま進まないでどうすんだよ、孫権なんか楽勝っしょ！一気にいくぜええええ」

賈詡「この主君勝つとすぐ油断して調子に乗るからあかんわ」

周瑜「曹操軍は案の定疫病で弱っているな。そもそも騎馬を降りて船に乗った北方の兵士が水戦で孫呉に勝てるかよ。火計だ、燃やしつくせ！」

兵数は15万vs3-5万、疫病に悩まされた曹操軍に黄蓋が火をかける。赤壁の戦いはたった2ヶ月足らずであっさりと決着がついた。曹操軍の大半が疫病で亡くなった。
賈詡の読み通り曹操は調子に乗ってぼろ負けし一度は手に入れた荊州を都の襄陽以外失った。

曹操「うわーーーーん痛いよおおおお郭嘉がいたらこんな目に合わなかったのにいいいい」

曹操「まあ仕方ない。中華の中心は治めたし、王様にでもなるか」

荀イク「！！！曹操様それはいけません！」

曹操「は？なんでだよ」

荀イク「そんなことをすれば歴史は曹操様を漢の簒奪者とみなし、千年の悪名を残します！私も漢の臣下です。国が滅ぶのを黙って見過ごすわけにはいきません！」

曹操「知ったことかよ。漢帝国だって周の後にできた。最初からあったわけじゃない。俺は俺の力で一からこの国を作ったんだ。自分で作った国の王を名乗って何が悪い」

荀イク「しかし後世の人々はそうは考えないでしょう！」