皇帝「はい、今回の任命は終わり。お疲れさまでした」
教皇「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のローマ首都管区の大司教に就職したのだが、『街の教会、修道院等の聖職者を任命する権利(叙任権)は皇帝にあるのではないか』 という懸念の声があり、結果、皇帝ちゃんが定期的にワイの教会の聖職者を任命してくれるようになった。しかし皇帝ちゃんはなんだか
教会の土地と金にしか興味がないみたいで、いつもいつも聖なる教会に自分に都合のいい俗人を送り込んできて、教会財政イタイイタイなのだった。
身を切るような寒さの雪のふる深夜なのに、皇帝にちゃんが薄着でずっと立ちつくしている
皇帝「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(破門した皇帝ちゃんが、自分のカノッサ城の前で赦しを請うため3日も断食したまま裸足で祈り続けている!?)
皇帝「ふぅ……こんなものですかね……。早く破門をといてもらえるように頑張らないと……」
教皇「皇帝ちゃーん!」 バターンッ!
皇帝「ひゃあッ!?」
ハフッ!ハフッ! 皇帝ちゃんの惨めな懺悔姿ざまぁみろ!」
皇帝「ど、ドサクサにまぎれて鬱憤はらさないでください!」
教皇「ご、ごめんね皇帝ちゃん……!」
皇帝「べ、別に、キリスト教世界の守護者として罪を悔い改めるくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。
それに、私は破門のせいで、あんまり貴族たちに支持してもらえないから」
教皇「そ、そんなことないよ! 皇帝ちゃんのその気持ちだけでワイは十分気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! 皇帝ちゃんおてて出して! 」
皇帝「こ、こうですか?」
教皇「そう! それじゃあ今から破門をとくからね! 皇帝ちゃんのやわらかおててに神の恵みを授けるからね! ちゃんと受け止めてね!」
教皇「ウオーッ! 皇帝! ぷにぷにおててに出すぞ!」(BGM:ハレルヤコーラス)
皇帝「ひゃあッ!」
教皇「くっ、ふぅ……! す、すっごい濃い赦しが出たぁーッ!」
皇帝「ほんとうです……で、でもなんで……?」
教皇「それはね……皇帝ちゃんの悔い改めの気持ちが、父なる神、子なるキリスト、聖霊に伝わったからだよ! 皇帝ちゃんの信仰がね!」
ここ史実通り
教皇「そう! だから、教会法なんて、二の次なんだよ! 懺悔は上手い人にやってもらうより、好きな人にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
皇帝「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、懺悔に付き合ってもらってもいいですか?」
教皇「もちろん!」
その後、ワイは一晩中、皇帝ちゃんのおててに恵みと赦しを続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、皇帝ちゃんは再び諸侯たちの支持をとりつけて、ローマ王に復帰し叙任権を主張するようになったので結果オーライ! おわり!
そら皇帝よ
教皇がお情けで赦しちゃったからな
この2人は皇帝ちゃんの勝ちや
皇帝が乗っ取ろうとしてたから破門されたんかと思ってたわ