近代

ヴァイマル共和政時代のドイツ国 ワイマール憲法について

163: 名無し 2008/11/01(土) 15:03:34 0
現在、ワイマール憲法がワイマール共和国の中でどのように運用されていったか(?)みたいな事について調べてるんですけど、いい文献とかありますかね?
一般的に「当時最も民主的」みたいないいかたをされるワイマール憲法を保持しているにも関わらず、なぜ、14年で崩壊したのか、っていうのを憲法に重点を置いて考察したいなー、と思ってるんですけど。
あと、もしこれに関していろいろ意見があったら是非教えて下ると嬉しいです。

 

164: 名無し 2008/11/01(土) 19:18:36 0

>>163
ちょっと古いがE.アイク「ワイマール共和国史」(全4巻・ぺりかん社)を勧める

そもそも憲法の条文だけで国政がうまくいくことはない
それを可能にする社会的経済的条件が必須(結果的にこの憲法のいわゆる民主的諸規定は政治経済の不安定さを助長した)
またそれを支える政治勢力が必要だが
社会民主党(特に左派)はこの憲法秩序よりも社会主義を志向してた
穏和保守党(人民党、中央党)は明確に帝政に反対する政党とはいえなかった
積極的支持は民主党ぐらい
国家人民党、共産党ははいうまでもなく反対の立場

>なぜ、14年で崩壊したのか
というよりも上記の理由で14年しかもたなかったともいえる

勿論反論は有るだろうけど

 

165: 名無し 2008/11/01(土) 21:47:06 0

>>164
ありがとうございます。
ちょうどその本借りてて、読もうとしていたところw

>それを可能にする社会的経済的条件が必須(結果的にこの憲法のいわゆる民主的諸規定は政治経済の不安定さを助長した)
これっていうのは例えば、比例代表制導入のせいで、しょっちゅう入れ替わる大連立組まなきゃいけなくなって、結果、内政の混乱を増長させちゃった、みたいなことですよね?

>またそれを支える政治勢力が必要だが ~
まだそれ程深く調べてない為、完璧に理解出来なくて申し訳ないのですが、そもそもあの憲法を積極的に支持していたのは民主党だけで、あとの政党はそれぞれの理由で不満の残る憲法であった。
憲法制定した段階で既にワイマール連合とかいう微妙に考えが異なる与党が成立して、お互い妥協せざるを得なかった=プロイスの案がほぼそのまま採用された、みたいな考えでおkでしょうか?

そういった理由からそれぞれに不満があるから、自分達に都合のいいように憲法を拡大解釈していった、みたいな事があれば(特に基本権全般と48条で)憲法に主軸をおいて論文かけそうですけど、そういう資料が十分にないとちょっと難しそうですね。

 

166: 名無し 2008/11/01(土) 22:30:40 0

>>165
レス感謝
>これっていうのは例えば、比例代表制導入のせいで、しょっちゅう入れ替わる大連立組まなきゃいけなくなって、結果、内政の混乱を増長させちゃった、みたいなことですよね?
それも勿論有るがたとえば労働者の会社の経営に参加出来る権利(共同決定権)とか、人民発議の規定とか
象徴的なのは初代大統領エーベルトに対する誹謗中傷(政治的プロパガンダ)の名誉毀損に対する裁判で
名誉毀損は認められたが傍論だが戦時中に彼が指導したストライキは反逆罪に相当する(戦時中でも罪に問われていない)との判決が出てる
(勿論司法官自身の政治的立場が反映してると見てるが)

留意すべき点は
1.いわゆるヴァイマル連合が議会多数派を形成したのは9回の議会選挙で2回(ヒトラー内閣でのものを含む)
2.2代大統領ヒンデンブルクは明確な帝政派
つまり国民の中でも支持者が多数では無かった事

 

167: 名無し 2008/11/01(土) 23:05:01 0

>>166
度々ありがとうございます。
しかし、自分の勉強不足で今一つかめないorz

・ヴァイマル連合が議会多数派を形成したのは2回
これはどういう意味で問題なんでしょうか?
憲法制定時の多数派がその後殆ど支持されていない=憲法もそれ程支持されていない?
それは違うかw

・ヒンデンブルクは明確な帝政派で、多数に支持されていたわけではなかった。
自分の読んだ文献(確か平凡社のドイツ帝国の興亡)には、「ヒンデンブルク」という過去の栄光である存在をドイツ国民が支持した。
という感じの記述があって、そういった意味でヒンデンブルクや右派政党がその後国民に支持されていったのかな、と思っていたのですが。

 

168: 名無し 2008/11/01(土) 23:34:30 0

>>167
レス感謝
最初からある意図が有るかと(いわゆる釣り)と感じたが一応学問板(2chで期待してもね)だから最初はマジレス(カッコ悪いとは思わない)した
少なくても主要な事実はご存知のようだし文献もそれなりに読まれてると感じる
俺の主要な意見は書いたつもりだ

今度は貴方の番

 

169: 名無し 2008/11/02(日) 00:11:03 0

>>168
釣り!!?
本当に全然そんな事はないですw
真面目な話、アホな大学4年で現在卒論で詰まってまして。
中間発表があったので一回やっつけ仕事で書いてみつつも、どうにも共和国の課程と憲法っていうのが上手く関連付けられなくて、どういう観点から見るべきか(そもそもそういう論点でおkなのか)ていうのが気になって試しにここで聞いてみたんです。
なので文献も全然読み込んでないし予備知識もない(8月後半からやっと取り組み始めたので)状況ですw

自分の意見、というか思ったのが、確か第48条の発動頻度ってヒンデンブルク時代よりむしろエーベルト時代の方が多くて、そしてエーベルト時代はそれなりに意図された働きをしていた。
しかしヒンデンブルク時代には権力分立を崩壊させる原因になってしまった。
この間における解釈の違いは
初期・・・警察や司法なんかじゃどうにもならなかった場合に限り行使されるべき
後期・・・立法府や政府の活動を妨げる、危害を加える障害の発生(議会による法律の拒否、さらに緊急命令の撤廃)によっても行使される
という感じでどんどん拡大解釈されていってる経緯があって、共和国の歴史に於いて、どのように拡大解釈されていったのか、という点。
あと、48条によって基本権も制限化だったはずなので、それについてもどのように行使されたのか、見たいな事かけば多少はそれっぽくなるかなー、とは思っています。

なんか期待されていたようなことかけなくてすいません。

 

170: 名無し 2008/11/02(日) 01:24:41 0

横レスだけど、結局大統領が首相を任命するわけで、その点日本の旧帝国憲法と似てる。
社会の一体性というか、国民的合意が存在しなくなって極右・中道・極左が拮抗した時には大統領が首相を指名するのは仕方ない。
それが緊急避難を逸脱してヒトラーの首相指名にまで至ったこと(ナチ党は未だ過半数を制していなかった)は結局下部構造としての経済と上部構造としての国民意識が崩壊した結果じゃないかね。

まさか大統領ヒンデンブルクで首相テールマンてわけにはいかないだろうし。

 

171: 名無し 2008/11/03(月) 10:03:09 0
>>170
ありがとうございます。
なんかちょっと見えてきた気がしますw
憲法48条云々以前に、議会がどんどんとっちらかっていくことによって、議会の権限がどんどんなくなっていった、ていうようなことでしょうか?
それが進行していく事によって、大統領政府、最終的にはヒトラー政権を容認してしまう結果になってしまった、というような。

 

172: 名無し 2008/11/04(火) 03:44:09 0
だいたい民主的みたいな言葉に酔って観念的に政治を見るのはまちがい
民主主義(言葉を変えれば人民主権)
法律論としては成り立つけど現実には個人の集合体としての人民の意志とみなされるものは制度、状況によって左右される

 

173: 名無し 2008/11/04(火) 21:24:13 0
一定数以上の国民が、一定の教育と見識を身に着けていれば民主主義はいちおう機能する
そうでない場合はガタがくる

 

174: 名無し 2008/11/04(火) 22:21:01 0
>>173
どうかな?
この共和国やフランスの第四共和制はどう考える?

 

175: 名無し 2008/11/05(水) 22:27:23 0
第四共和政が崩壊して独裁に移行したわけじゃないからなぁ…

 

176: 名無し 2008/11/06(木) 01:14:39 0

>>175
独裁とかそういう事でなく政治、社会の混乱を招いたことを言ってる
政治制度としての民主制は勿論支持するが
価値観としては相対的なものにとどまる

まあ多様な意見があるのは良い事

 

181: 名無し 2008/11/08(土) 12:10:07 0
>>176
政治や社会の混乱ってのは、
それこそ政府が統治能力を欠如するほどの状態(イラクやアフガンのような)でないと
そうは呼べないと思うんだが。

 

182: 名無し 2008/11/09(日) 21:28:35 0

>>181
>それこそ政府が統治能力を欠如するほどの状態

究極までいけばそうだけど、普通は混乱を通り越して無政府状態といわないかな?
ヴァイマル共和国でいえばハイパーインフレ、ライン地方の分離運動、中央政府とバイエルンラントの対立なんかは
政治社会の混乱と十二分にいえないかな?

 

183: 名無し 2008/11/10(月) 01:32:42 0
政府が統治能力を失う=無政府状態とは必ずしも言えない。
ある地域を別の勢力が奪取しているとか。
ザクセンでコミュニストが政府を作ってたときもあった。

 

177: 名無し 2008/11/06(木) 07:10:13 0
小党分立でも、フランス第三共和制の頃は機能していた
オランダやスイスのように、比例代表性なのに、目だった混乱のなかった国もある

 

178: 名無し 2008/11/07(金) 21:22:28 0
少なくとも、国民の大多数が無教育の蛮族だと民主主義は機能しないわな

 

179: 名無し 2008/11/08(土) 03:24:43 0
どんな字面で理想的な政治制度でも
現実はその時の政治社会経済の状況に左右されると思うのは俺だけ?

 

180: 名無し 2008/11/08(土) 03:53:25 0
まあ普通の国では政府が余りに酷いとクーデターが起こって全部チャラになっちゃうからな。
「憲法停止」とか当たり前にやっちゃうし。

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