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【戦国いい話36】土屋昌恒の忠誠、吉川元春と鮭料理、賃金を奮発する鮭様

2022年7月22日

943: 名無し 2008/09/09(火) 01:32:06

武田勝頼の家臣に、土屋昌恒という者がいた。
彼は信玄の時代から、武田の次世代を支える逸材と期待されていた男であった。

さて、織田徳川による武田征伐が起こる。

御存知のように武田は次々と城を落とされ、家臣、一門が続々と寝返る中、昌恒は常に勝頼の側にあった。やがて天目山に追い詰められ、勝頼が自害すると言う時、彼は勝頼の自害の時間を稼ぐため、追って来る織田軍の兵を峡い崖道で迎え撃ち、片手を蔦に絡ませ崖下へ転落しない様にし、もう片手で槍を振るい進軍を阻んだ。
が、多勢に無勢、後に「片手千人切り」と呼ばれるほど奮戦したものの、やがて討ち取られた。
しかし、彼が稼いだ時間のおかげで、勝頼たちは縄目の恥辱を受けることなく、自害する事ができた。

さて、戦後である。

この昌恒には、惣蔵と言う幼い息子がいた。織田の残党狩りを避け、親族のいた駿府の清見寺に匿われていた。
しかしそこは織田の同盟者である徳川家康の新領地。まもなくその存在は察知され、彼は徳川の手のものに捕まり、家康の前に引き出された。
甲斐での、織田による残党狩りの禍々しい噂は、駿河にも聞こえていた。可哀想に、あの子も殺されるのだろう。
皆、そう思っていた。

ところが家康は、引き出されてきたこの、元の敵の子を、丁重に扱った。

「お主の父の最後は聞いた。わしは、お前の父のような侍を尊敬する。」

そしてこの少年に向かって言った。「出来れば、わしの息子、秀忠の、小姓になってくれないだろうか?」
彼は後、土屋忠直を名乗り、やがて上総国で2万石を与えられ、久留里城主となる。

侍の、命を捨てた忠誠は、自身も主家も滅びてもなお、子に福を与えることもある。と言うお話。

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952: 名無し 2008/09/09(火) 14:38:42

悪いスレに書こうかと思ったんだけど、「鮭」 の話でまだ出てきてないのがあったので・・・

吉川元春、1586年、天下人への道を突き進む豊臣秀吉の強い要請を受け、弟の隆景らの説得により、隠居の身でありながら渋々九州征伐に参加した。
この時元春は膿性炎症(癌とも言われている)に身体を蝕まれていた。
そのため、出征先の豊前小倉城で死去した。
黒田如水が差し出した鮭料理を食べてしまったため、病状が悪化して死去したと言われている。

ただしこの当時、九州にて鮭を入手するのは、海運も発達していない上に、産地である東北の大名がまだ秀吉に臣従していない以上、かなりの困難があったと思われる。
もし実話だとすれば、そのような貴重なご馳走に恐縮して断わるに断れなかった、あるいは身体によくないと知りながら、食欲に勝てずに箸をのばしたというのが、真相ではなかろうか。

秀吉が元春を嫌っていたことを知っている如水が、「義理堅い元春なら断るまい」と食わせたか?

 

954: 名無し 2008/09/09(火) 15:11:04

>>952
筑前嘉麻郡(現福岡県嘉麻市)には鮭神社ってのがあるぞ。
筑前國続風土記拾遺に上ってきた鮭を神の使いとしてた、って記述もあるし。

だから馳走した鮭は地元でとれたものかもしれんよ。
それで暖かいところの鮭だからアニサキスに当たったんじゃねぇかなぁ。

 

956: 名無し 2008/09/09(火) 16:34:34
>>952
当時は福岡でも取れてた。

 

955: 名無し 2008/09/09(火) 15:15:00
そういえば、戦国時代でも海運はきちんと機能してて(戦場になりやすい陸路よりもむしろ盛んだったらしい)
商品の流通も相当機能していたようだね。北海道の昆布を琉球まで運んでるし。

 

963: 名無し 2008/09/09(火) 20:48:50

鮭抜きである日の鮭様

関ヶ原後。
庄内を新たに得た最上家は、さっそく年貢減免を行い感謝されていた…
最上義光(通称鮭様)は鮭大量入手ができる庄内・鶴岡に隠居しようと思っていた。

鮭様は「よーしはりきって庄内に城下町作っちゃうぞ!」と庄内出身の作業員に賃金を大出血サービスした。すると配下の志村光安が血相を変えてこう言ってきた。

「殿! 作業員が賃金で不満を訴えておりますぞ」
「なぜじゃ」
「山形から来た作業員が、庄内の奴らばっかりずるいと不満を」
「あっ!」
ちょっと考えが足りない鮭様である。

鮭様は考えた。
「せっかく喜んでもらえると思ったのだが…」
「じゃあ、山形のみんなにも同じだけ払いなさい」
鮭様、太っ腹である。
作業員は大喜び、はりきって仕事した。

しかし鮭様は息子を不可解な暗殺で亡くし隠居できず、
鮭まみれの晩年は送れなかった…ちなみにこの城下町、現在の鶴岡だが城だけはなぜか粗末なつくりで、
あとでやって来た酒井家があきれるほどだったとか。

 

964: 名無し 2008/09/09(火) 22:21:22
鮭様かわいそす・・・

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