武田信玄の娘・松姫は、織田信長の嫡男・信忠と幼い頃に婚約していた。
2人は、直接会うことはなかったが、互いに文のやりとりで思いを深めたという。
しかし、周知の通り、武田と織田はその後、敵対し、二人が結ばれることはなかった。
信玄の死後、武田攻めの大将を務めたのは、奇しくも信忠だった。
信忠の指揮により、武田は滅びたが、松姫は辛くも武州に落ち延びた。
その消息を知り、信忠は迎えの使者を出したが、松姫が出立せんという時に本能寺の報がもたらされたとの話も。
生家の滅亡、許嫁の死を背負い、松姫は誰にも嫁がぬまま、仏門に入った。
そして、武田家とともに、信忠の死を弔ったという。
さらにその傍ら自ら織物をするなどし、落ち延びる際に連れて行った兄・勝頼と盛信の幼い姫のみならず、土壇場で武田家を裏切った小山田信盛の姫も、別け隔て無く育てたという。
女風林火山懐かしいな…
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感動はしないけど、ちょっと良い話。
三代目加賀藩主、前田利常は能を見るのが趣味だった。
利常が能を見る時、家臣たちは利常の前に座り、利常はいつも家臣の後ろから能を見ていた。家臣たちは利常が見やすいように頭を下げ、低い体勢で能を見ていた。
(これでは家臣たちに、能を楽しんでもらえないな…)
そう考えた常利は、自分の座る所に畳を積み重ねた。
そうすれば、家臣たちは頭を下げる必要が無くなるからだ。
利常の温かい心遣いに、家臣たちはみな、感激した。
於大の方は松平家の武士に護衛されて水野家に送り返されることとなったが、水野家との国境まで来た時、彼女は護衛の武士に
「後は近くの百姓に頼んで送ってもらうからあなたたちは引き返してください」
と言った。
武士たちが理由を聞くと、於大の方は答えた。
「水野家の当主である兄は気性の荒い人なので、あなたたちを殺してしまうかもしれません。もしそんなことになれば、両家の間に取り返しのつかない禍根を残します。今はわけあって不仲になったとはいえ、いつかは和睦する日が来ると信じています。今、兄に短慮なことをさせては将来の和睦の妨げになりましょう。ともかく、ここで引き返してください」
松平家の武士たちはやむなく言うことに従って、於大の方を土地の農民に託して別れたが、それでもやはり心配なのでこっそり跡をつけた。しばらくして完全武装した水野家の武士たちが於大の方を迎えに現れた。
水野家の武士たちは於大の方にお送りの松平家の侍たちはどうしたのかと問うと、彼女は松平家の者たちは国境で引き返したのでもういないと答えた。
すると水野家の武士たちは
「それは残念。お送りの侍どもは全員討ち取れ、との殿のおおせでありましたのに」と、つぶやいた。
いいはなし
というより水野DQNすぎるw
さすがはあの勝成を輩出した一族
越後を支配していた戦国大名の上杉謙信は毘沙門天を熱心に信仰していた。
彼は重臣たちとの会議は毘沙門天をまつる毘沙門堂で行うのを習慣にしており、重要な命令も毘沙門堂で行うことにしていた。
ある日、謙信のもとに領内で大規模な一揆が発生したとの知らせが届いた。これは一大事と謙信はその場で配下の武将に出撃命令を下した。
それを聞いた重臣たちは「そのような命令は毘沙門堂で行うのが習慣ではありませんか?」と問うた。
すると、謙信は「今は一刻を争う。毘沙門堂に皆を集める余裕はない」と答えた。
重臣たちは、それでは毘沙門天が怒るのではないかと心配したが、謙信はこう言い返した。
「もたもたして一揆の鎮圧に手間取るほうがよほど問題だ。それにこの越後の地で毘沙門天が盛んに信仰されているのは私が手厚く保護しているからだ。むしろ私の方こそ毘沙門天から感謝されてもいいくらいだ。これくらいで怒るはずがない」
熱烈な毘沙門天の信者と思われていた上杉謙信。だが、実は信仰一筋に縛られていない柔軟な思考の持ち主であることを示すエピソードである。
いい話だな。ソース教えて。
たしか「決断の条件」というビジネス書の中で紹介された話だったと思う。
家の本棚のどこかにまだあるはずだから調べてみるよ。
色々と調べてみたが、上杉謙信と毘沙門天のエピソードが載っていたのは
「決断の条件」ではなく、松下幸之助 著の「人を活かす経営」という文庫本だった。
勘違いして申し訳ない。
あらためて読み返してみると間違えて書きこんだ箇所がいくつかあった。まず一揆が発生したのは越後の領内ではなく隣国。そして、謙信は配下の武将に出撃命令を下したのではなく、間者に様子を調べてこいと命じている。ずいぶん昔に読んだせいか、色々と記憶違いをしていたようだ。
秀吉の知恵袋として活躍した黒田如水の話。
朝鮮との戦が始まる頃、日根野備中という武士が出陣の費用が足りないので、如水のところへ借りに行くと如水は快く貸してくれた。後日、返済の金が用意できたので備中は礼として大きな鯛を持って金を返しに行った。
如水はその大きな鯛を家来に渡して料理するように命じた。その際、「鯛の頭と骨は捨てずに吸い物にせよ」などと細かく指示するのを見て、備中は心の中で、なんてケチな男だと思って如水を軽蔑した。
そして、備中が借りていた金を返すべく差し出すと、如水は受け取ろうとせずに こう言った。
「あの金は差し上げるつもりで渡したものだ。わしが日ごろから倹約を心がけているのはこのような時のために人の役に立ってもらいたいと思うからだ」
これを聞いて、備中は恥じ、また感心したという。