馬の糞に救われた男の話
武田軍が松山城を攻撃した時、武田の武将・米倉種継が敵の銃撃を受け、弾は腹から背中を貫通した。肺に血がたまり、もはや米倉の命もこれまでかと思われた。
そのときだれかが、
「葦毛の馬のふんを水にとかして飲めば肺にたまった血が降りて助かるぞ」
と言った。
それを聞いた米倉は、
「戦場で死ぬのは武士の習わし。馬のくそまで飲んで助かりたいとは思わない。」と頑なに拒絶した。
すると、米倉の同僚の甘利信景が、
「貴様の言うことはもっともだ。しかし、あくまでも命を大切にして主君のために働き、功名手柄をあげることは武士の本分ではないか。この糞汁は貴様にとっての妙薬だぞ。何を恥ずかしがることがあるのだ。おれが先に飲んでやろう。」
と言いながら、糞汁をさもうまそうにゴクゴク飲んで舌鼓を打ってみせた。
「けっこういけるぞ。」
それを見た米倉は、甘利の志に感じ入り、深くうなずいて糞汁を飲みほした。
すると、糞汁の効果で肺にたまった血が降り、気力が回復した。その後養生に励み、もとの体に戻ったという。
また、甘利の機智と才気は、以後武士の鑑として長く褒め称えられたという。
出典「関八州古戦録」
馬糞の効能はともかく、なんか「戦友」を感じさせる、いい話だなー。
ニュース
去年の大河ドラマ「風林火山」で同じような話があったな
糞汁飲んだのは山本勘助だけど
大河は逸話の少ない武将だと平気で人の逸話を取るからな
功名が辻でも関ヶ原の後一豊が三成に羽織かぶせてたしw
信長と貧者
織田信長があるとき、自分と同じ年、月、日の生まれの人間を探させた。
すると、一人の男が見つかり、御前に引っ張り出された。
大変貧しい男であった。
信長はその男を見て、不思議そうに尋ねた。
「わしとお前は全く同じ時に生まれたのに、わしはいまや天下をつかみ、
お前は貧困に苦しんでおる。どうしてこれだけの違いが出来るのか?」
貧者は言った「いいえ、そんなに違いません。」
「なんだと?」
「たった1日の違いがあるだけです。」
「1日?」
貧者は言う
「はい、あなた様が富貴であり、私が貧困に苦しんだ昨日までは、既に過去の事。
私と信長様に、差があるのは、今日一日の事でしかありません。
そして信長様、あなたも、明日はどうなるか、誰にもわかりません。」
信長は一瞬苦い顔をしたが、思い直し、その貧者に褒美を与え、返した。
同じ時に生まれた信長と貧者の、なんだか不思議なお話。
>明日はどうなるか、誰にもわかりません。
確かに明日ってどうなるか分からないよな、変わらない明日が来るって確定されてないし。
考えさせられるなぁ
おお・・・その貧者はすごい感覚の人だな
400幾年前の人の意見なのにすごく新鮮な視点だ
信長はなぜ同じ生年月日の人間を探したのか気になる。
「誕生日で運命決まるなら、オレと同じ誕生日の奴って成功してるはずじゃね!?」
と思ったんじゃなかったっけ。