石丸進一「に、日本軍ちゃん！もっと野球をやらせて！」日本軍「うるさいですね……」

日本軍「はい、今日で人間終わり。明日からは英霊です。お疲れさまでした」

石丸「うぅ……あ、ありがとうございました……」

数年前、念願のプロ野球界に就職したのだが、『若い奴でも特攻させないと戦争に負けるのでは』
という大本営の懸念の声があり、結果、石丸ちゃんも22歳で特攻することになった。

「ワシには野球しかないんじゃ！」日頃からそう言っていた石丸ちゃんは、軍友と10球キャッチボールすると、
「これで思い残すことはない。さようなら！」と言って笑顔で飛行機に乗り込み、空に消えていった。

心がイタイイタイなのだった。

その恨みを晴らすためか、ある日行われた上官チームと予備学生チームの野球試合で、石丸は予備学生チームのエースとして登板すると、上官チームにファウルはおろかバットにかすりもさせない程の速球を繰り出し、20対0・30対0といった大差で予備学生チームの勝利に貢献した。

あまりにも飛球が来ないということで、予備学生チームの外野手は全員が煙草を吸って一服する始末で、
上官チームから「（打てないから）もっと遅い球を投げろ!!」と罵声を飛ばされると、石丸は遅い球を投げるどころか、より速い球を投げたという。