乾隆帝が巡狩の際に孔子の廟に詣で、孔子の子孫某と面会したことがあったが、
年若いが立ち居振る舞いの堂々とした様を気に入り、流石は聖人の子孫である
と賞賛、皇女を娶わせようとしたが、拒否されたので訳を訊ねると
『清朝は夷狄の子孫。通婚などしては先祖に申し訳が立ちませぬ。』
これを聞いた乾隆帝、怒るどころかその志を褒め、
漢人のしかるべき娘との婚姻を取り計らってやったということである。
またある時漢人某が謀反の罪で捕らえられた際、
『夷狄の王朝を廃し、中華正統を復興せんとしたまでだ。』
と言ったのに対し、乾隆帝は反論して言った。
『人から見ればあるいは漢人、あるいは夷狄であろう。しかし、天からすれば
華夷の区別があろうか。たとえ尭舜の末裔であっても、桀紂のようであれば、
なんで天下が治まろう。夷狄であっても、善政であれば天も認めよう。』
以上は
乾隆帝(1711~1799)と同時代人の南町奉行根岸肥前守鎮衛(1737~1815)
の記録している話ですが、中国側に類似の記録があればご教示下さいますよう
お願い申し上げます。
ニュース
でも、乾隆帝は大義覚迷録を発禁にしたり、
雍正帝が許した曾静を処刑したりとかしてません?
>>746
私も、ある意味意外でした。
反抗心・社会的影響の有無で判断していたと言えなくもないですが。
ダレイオス1世が側近のギリシア人をよんで、
どれほどの金を貰ったら死んだ父親の肉を食う気になるか、
と訊ねたことがあった。
ギリシア人は、どれほど金を貰ってもそのようなことはしないと言った。
するとダレイオスは、
今度はカッラティアイ人と呼ばれ
両親の肉を食う習慣をもつインドの部族を呼び、
先のギリシア人を立ち会わせ、
通訳を通じて彼にも対話の内容が理解できるようにしておいてから、
そのインド人に、
どれほどの金を貰えば死んだ父親を火葬にすることを承知するかと訊ねた。
するとカッラティアイ人たちは大声をあげて
王に口を謹んで貰いたいと言った。
・・・ヘロドトス「歴史」の一コマながら、
ボアズの文化相対主義を思わせる内容。
また真実性はさておき、かくも価値観が相違する世界を平然と両脇に抱えている、
ダレイオス1世のスケールの大きさを自然と読む者に感じさせる記述でもある。
このエピソードを残したヘロ翁もなかなかやりますな
『荘子』を思い出しました。それはさておき。
『ワインズバーグ・オハイオ』の作者である
アメリカ人作家、シャーウッド・アンダーソンと日本の出版業者のお話。
日本
「貴方の作品を翻訳してもよいか。」
アンダーソン
「構わない。他の国からは謝礼を貰っているが、
日本にそういう習慣がなければ、
自分は貧しいのであると助かるが、なくてもしょうがない。」
日本側
結局謝礼を出さず。
アンダーソン
「構わない。今後は好きな作品を翻訳してくれていい。」
日本
「貴方に執筆を依頼したい。」
アンダーソン
承諾してすぐに原稿を送る。
日本
「申し訳ない。貴方への謝礼を宴会費に使い込み、送金が遅れてしまった。」
アンダーソン
「構わない。自分もその席に居たかったよ。」
日本人の美徳のうち、正直については戦国時代以来
主に欧州からの定評がありますが、几帳面さについては、
少なくとも庶民に定着したのは時代が下る気がします。
元士族あたりはさておき、昭和までの庶民は、かなり乱雑。
野口英世の散財は有名ですが、
あそこまででないにせよ、似たような話は散見。
複数の国の人間が語ってる美徳は住居の清潔さかね
>>757
>美徳は住居の清潔さかね
「清潔」とはちょっとちがうけど、
江戸の下町裏長屋の住人が、植木鉢で朝顔そだててるところとか
美徳じゃないか
>>759
その美徳は戦争になると粘り強さに欠けて
追い詰められる前に玉砕するから
あまり戦争向きじゃない
硫黄島みたいな徹底的に地下陣地を構築して粘ったほうが
相手の戦闘意欲は削がれる
あと自分の命もあっさり捨てるが
他人の命も軽んずるようになる欠点もある
南極点初到達でのライバルだったアムンゼンとスコットの間には
極点目指す前からの紳士的なやりとりとか何気に美談がある
先に極点に到達したのはご存知の通りアムンゼンだが、
そこでも彼はスコットのために正しい極点の位置を図ってそこに旗を立て、
また近くにテントを設置し
スコットにいくらかの食料とメッセージを残していった。
メッセージはアムンゼンが帰路で遭難する心配から、
ノルウェーの国王に自分が極点に一番乗りした事を伝えるもので、
スコットに携帯するよう依頼したものだった。
律義者のスコットはそのメッセージを持ち帰った事で、
アムンゼンの極点初到達は嘘ではない事が証明されたのだった。
なにこれ怖い、、、
>>766>>768
北極が大好きでしょうがなかったアムンゼンさん
とりあえず南極点に到達した後、実は北極で死亡していた、、、
本人大歓喜!?
北極は海洋性気候ゆえ、南極よりずっと「温暖」なのにね
南極点の年平均気温は-50℃、北極点は-15℃ほどと約35℃も高いぞ
スコットの帰路はスコットの出発と道中の行程の遅れ
(頼りにしていた馬や雪上車が使えず人力でソリを引いて行った)から
夏が終わってブリザードが襲って来るようになった。
隊員の中でも屈強なエバンズがまず凍傷に罹り、
手足は膿だらけとなり動けず、錯乱の果てに絶命する。
次いでオーツが凍傷になるが、
ここでオーツは自らを犠牲にする言動をしている。
「自分はもう駄目だから寝袋に入れたまま捨てていって欲しい」
しかしスコットはそれを許すことが出来なかった。
オーツの最後は連日のブリザードで
テントに閉じ込められたまま全く進めない時に訪れる。
「ちょっと外へ行ってくる」
…こんなブリザードの中外に出る理由は一つしかなかった。
しかしスコット他の隊員は前日まで必死にオーツを励ましていたが、
この時はオーツの気持ちを汲んで何も言えなくなっていた。
尊い自己犠牲の話…になるかな!?
スコットはもはや遭難死は不可避と悟ると
私はもうだめだから
妻よいい男がいたら再婚してくれって遺言残してたんだよね
泣けた